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占いえらび

生命の樹とユグドラシル|占いに出てくる2つの木

占いの本やプロフィールには、「生命の樹」「ユグドラシル」「世界樹」といった木の名前がよく出てきます。どれも神秘的な響きで混ざりやすいのですが、じつは生まれた場所も、つながる占いも別々です。2つの木を整理して、相談にどう生かすかまでまとめました。

読みものタロットルーンこれからのこと

この記事の3行まとめ

  1. 生命の樹はユダヤ教の神秘思想(カバラ)の図で、タロットとつながります。ユグドラシルは北欧神話の木で、ルーンとつながります
  2. いちばん広く使われるタロット(ライダー版・1909年)は、「力」と「正義」の番号が古いカードと入れ替わっています
  3. 先生のプロフィールでこれらの言葉を見たら、どのカード・どの読み方を使っているかを聞くと話がかみ合います

まず結論──2つの木は、別の世界の木

生命の樹ユグドラシル
どこからユダヤ教の神秘思想
(カバラ)
北欧神話
どんな形10の球と22本の小道でできた図9つの世界を支える大きな木
つながる占いタロット・数秘術ルーン
よく出る言葉カバラ・セフィロト・小道(パス)オーディン・北欧・世界樹

生命の樹は考え方を整理するための図、ユグドラシルは神話の中の木です。どちらも「世界の成り立ちを木の形であらわす」ところが似ているので、ひとまとめに語られがちです。

ゲームやアニメでは2つの木が自由に組み合わされて登場します。占いの話をするときは、どちらの木の話かを分けて考えると、すっきり理解できます。

生命の樹は、10の球と22本の小道

生命の樹(せいめいのき=セフィロトの木とも呼ばれる)は、カバラ(=ユダヤ教の神秘思想)で使われる図です。10個の球(セフィラ)が、22本の小道でつながっています。

番号名前意味
1ケテル王冠
2コクマー知恵
3ビナー理解
4ケセド慈悲
5ゲブラー裁き
6ティフェレト美
7ネツァク勝利・永続
8ホド栄光
9イェソド基礎
10マルクト王国

いちばん上の「王冠」から、いちばん下の「王国」=私たちの暮らす世界へと、力が流れ下りてくる様子をあらわしています。図によっては、1と6のあいだに11番目のダアト(知識)が描かれることもあります。

22本の小道には、ヘブライ語のアルファベット22文字が1つずつ当てられています。この当てはめを図にしたのは、17世紀の学者キルヒャーでした。

タロットの22枚と、22本の小道

タロットの大アルカナ(=名前のついた22枚の札)も22枚です。この「22」という数の重なりに注目したのが、19世紀フランスの魔術研究家エリファス・レヴィ(1810〜1875年)でした。レヴィは、タロットの札にヘブライ文字を当てはめました。

その考えを受け継いで発展させたのが、1887年にロンドンで生まれた魔術結社黄金の夜明け団です。ここでは大アルカナを、生命の樹の22本の小道や、星座と結びつけて読む体系が作られました。

いまのタロットの読み方の多くは、この19世紀の体系の上にあります。「タロットは古代エジプトから伝わった」という話も見かけますが、生命の樹とのつながりは、比較的新しい時代に作られたものです。

「力」と「正義」は、カードによって番号が違う

黄金の夜明け団のメンバーだったアーサー・エドワード・ウェイトと、画家のパメラ・コールマン・スミスが作ったのが、ライダー版タロット(1909年)です。世界で1億部以上が出回り、いまいちばん広く使われているタロットとされています。

このライダー版では、「力」と「正義」の番号が、それより前のカードと入れ替わっています。黄金の夜明け団の考え方に合わせて、力=しし座、正義=てんびん座と結びつけたためです。

カード8番11番
ライダー版(とその流れのカード)力正義
それより前の形(マルセイユ版など)正義力

同じ「8番の札」でも、先生の使うカードによって「力」だったり「正義」だったりします。番号で覚えている人ほど、ここで話が食い違います。

「いま出た8番のカードは、力と正義のどちらですか。先生はどのカードを使っていますか」

ユグドラシルは、9つの世界を支える木

ユグドラシルは、北欧神話の世界の中心に立つ、大きな聖なる木です。そのまわりに、神々や人間、巨人たちが住む9つの世界があるとされます。

この木のことは、13世紀のアイスランドでまとめられた2つの本、『詩のエッダ』と、スノッリ・ストゥルルソンの『散文のエッダ』に書かれています。

木の根の1本はウルズの泉に伸びていて、そこに住む運命の女神たちノルンが、毎日泉の水と泥を木にかけて守っている、と語られます。運命を見守る女神が木を世話している。占いとのつながりを感じる場面です。

オーディンは木に吊られて、ルーンを手にした

ルーン(=北欧の古い文字。石や木に刻み、占いにも使われる)の始まりを語るのが、『詩のエッダ』の中の詩「ハーヴァマール」です。

その第138節で、神オーディンは、風の吹く木に9夜のあいだ吊られ、槍で傷を負ったと語ります。食べものも飲みものもないまま下をのぞき込み、叫びながらルーンを拾い上げた、と続きます。この木がユグドラシルだと考えられています。

ルーンは、神が命がけで手に入れた「知恵の文字」として語られてきました。ルーンの先生が一つひとつの文字をていねいに扱うのは、この背景があるからです。

「世界樹」という言葉は、どちらのこと?

世界樹は、「世界の中心に立ち、世界を支える木」をあらわす言葉です。北欧神話のユグドラシルは、その代表例としてよく「世界樹」と訳されます。

いっぽう生命の樹は、世界の成り立ちを図であらわしたもので、木の神話とは性格が違います。占いの話で「世界樹」と出てきたら、まずはユグドラシル=北欧・ルーンの話と考えると、たいてい当てはまります。

先生のプロフィールで、この言葉を見たら

書いてある言葉どんな先生か聞くとよいこと
カバラ・生命の樹タロットや数秘術を、生命の樹の図と結びつけて読むどの札がどの小道にあたるか
ウェイト版・ライダー版いちばん広く使われるタロットを使うカードの絵が何を示しているか
マルセイユ版古い形のタロットを使う番号が違う札の読み方
ルーン・北欧ルーン文字で占う引いた文字の意味と、その神話

どの先生が良い・悪いではなく、何を土台に読んでいるかの違いです。自分がしっくりくる世界観の先生を選ぶと、言葉がすっと入ってきます。

先生に聞くときの、ひとこと

カードや道具の背景を聞くのは、先生を試すためではありません。同じ言葉で話すためです。最初のひとことで聞いておくと、あとの読み解きがぐっと分かりやすくなります。

「タロットは、ライダー版で見ていますか。生命の樹と結びつけて読むこともありますか」

電話占いは1分ごとに料金がかかるので、背景の話は最初の1〜2分にとどめて、あとは聞きたいことに時間を使いましょう。聞きたいことは相談メモにまとめておくと安心です。

参考にした資料

このサイトで試せます

タロットのしくみを、もう少し

22枚と56枚の役割、正位置と逆位置、怖い名前の札の読み方をまとめています。

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