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占いえらび

数秘術を深く知る|歴史・成り立ちと、プロが使う読み方

数秘術は「古代ギリシャのピタゴラスが始めた」とよく紹介されます。けれど、いま使われているライフパスナンバーの形ができたのは、20世紀のアメリカです。確かな記録と言い伝えを分けながら、歴史と、プロの鑑定士が使う読み方までたどります。

読みもの数秘術これからのこと

この記事の3行まとめ

  1. 数に意味を見る習慣は紀元前からありますが、いまの数秘術の形は20世紀のアメリカの女性たちが整えたものです
  2. プロは生年月日から人生の4つの時期(ピナクル)も読みます。例の人なら29歳・38歳・47歳が区切りです
  3. 名前の数では「Y」を母音と数えるかで流派が3つに分かれ、YAMADA YUKO なら3にも8にもなります

この記事で分かること

数秘術の記事ではしくみを、数秘術の計算では自分の数の出し方を紹介しました。この記事は、その一歩先です。

確かめられた記録は言い切り、言い伝えは「とされる」「と語られる」で書き分けています。使った資料は、いちばん最後にまとめました。

数に意味を見る習慣は、紀元前から

文字を数に置き換えて、言葉に隠れた意味を読む。この考え方は、とても古くからあります。

アルファベットに数が割り当てられていた時代には、名前や言葉を「数」として読むのは、ごく自然なことでした。数秘術の名前の数も、この流れの先にあります。

「カバラ数秘術」のカバラとは

カバラは、ユダヤ教の神秘思想(=聖書の言葉の奥に隠れた意味を読み取ろうとする考え方)です。12〜13世紀に、南フランスからスペインにかけてのユダヤ教の人々の中で形になりました。中心となる本『ゾーハル』は、13世紀の後半にモーシェ・デ・レオンが書いたとされています。

前の章のゲマトリアは、このカバラで使われる技法のひとつです。日本で「カバラ数秘術」と呼ばれているものは、この「文字を数にする」発想をカバラと結びつけた呼び名です。ローマ字の名前を数にする計算そのものは、近代になってから作られました。

「カバラ数秘術」「ピタゴラス式」「モダン・ヌメロロジー」は、先生によって呼び名と中身の組み合わせがまちまちです。名前にこだわるより、計算のしかたを先生に確かめるのが確実です。

ピタゴラスは「父」と呼ばれるけれど

ピタゴラスは紀元前6世紀の、ギリシャのサモス島の生まれの哲学者です。「万物の根源は数である」と考えたとされ、数秘術の父と紹介されることがよくあります。

ただ、ピタゴラス本人が書いたものは残っていません。一派の考えが伝わっているのは、アリストテレスなど後の人の記録を通してです。

数秘術の歴史を研究している伊泉龍一さんは、ピタゴラスをいまの数秘術の創始者とするのは、厳密には正しくないと指摘しています。ピタゴラス派の「数の哲学」と、いまの数秘術の技法には、ほとんど共通するところがないためです。

ピタゴラスは、数秘術を作った人というより、数に意味を見る考え方の源流として名前が挙がる人、と受け取るのがちょうどいい距離です。

「数秘術」という言葉は、1907年ごろから

英語で数秘術を意味するnumerology(ヌメロロジー)は、1907年ごろより前の記録には見当たりません。それより古い、数で占うことを指す arithmancy という言葉は、1570年代から使われていました。

つまり、「数秘術」という名前がついて、ひとつの占いとしてまとまったのは、いまから120年ほど前のことです。数に意味を見る習慣は古く、占いとしての形は新しい。この2つを分けて考えると、歴史がすっきり見えてきます。

いまの数秘術をつくった、3人の女性

いま日本で紹介されている数秘術の多くは、モダン・ヌメロロジーと呼ばれる形です。これを整えたのは、20世紀はじめのアメリカの女性たちでした。

人生きた年したこと
L・ダウ・バリエット1847年生まれ1905年と1908年に、数の「響き」を説く本を出版。現代数秘術の祖とされます
ジュリア・シートン1862〜1950年バリエットの協力者。「numerology」という言葉を作ったと言われる人です
ジュノー・ジョーダン1884〜1984年14歳からバリエットに学んだ直弟子。1965年の『Numerology: The Romance in Your Name』は、いまも基本の1冊とされます

ライフパスナンバーや、次の章で紹介するピナクルといった道具の多くは、ジョーダンの時代に形が整いました。私たちが「数秘術」と聞いて思い浮かべるものは、100年ほどのあいだに育った技法なのです。

キロと「王位を捨てる」の逸話

20世紀のはじめ、ロンドンで名を知られた占い師にキロがいます。本名はウィリアム・ジョン・ウォーナー(1866〜1936年)。手相で有名になり、1926年には数の本『The Book of Numbers』をロンドンで出版しました。

作家のマーク・トウェインや、発明家のエジソン、イギリスの王太子など、多くの有名人を占ったとされています。トウェインは、自分の性格を恥ずかしくなるほど正確に言い当てられた、という言葉を残したと伝えられます。

いちばん有名なのは、王太子について「愛する女性のために、王位を継ぐ権利までふくめて、すべてを手放しても驚かない」と書いていた、という話です。1936年、エドワード8世は実際に、結婚のために王位を退きました。

この逸話は、百科事典でも出典が足りないと注意書きがつく話です。「当たった証拠」ではなく、数や占いが人々の関心を集めた時代の物語として読むのがおすすめです。

暮らしの中にある「数の意味」

数秘術そのものではありませんが、数に意味を見る考え方は、いまも社会のあちこちに残っています。

国際的な大会の日程まで数で決まることがある。数に意味を見る感覚が、それだけ人の暮らしに根づいているということです。

プロの道具① 人生を4つの時期で読む「ピナクル」

プロの鑑定士は、ライフパスナンバーだけでなくピナクル(=頂上。人生を4つの時期に分け、それぞれのテーマを読む数)も使います。生年月日の月・日・年をそれぞれ1けたにして組み合わせます。

1992年7月15日生まれ計算数時期
第1ピナクル月7+日6(15→1+5)40〜29歳
第2ピナクル日6+年3(1992→21→3)930〜38歳
第3ピナクル第1の4+第2の9=13→4439〜47歳
第4ピナクル月7+年3=10→1148歳〜

第1の時期が終わる年齢は36からライフパスナンバーを引いた数です(この人は7なので29歳)。36は「9年のひと回り×4」から来ていて、そのあと9年ずつ区切り、第4の時期は一生続きます。

同じ組み合わせを引き算にしたものがチャレンジ(=その時期の課題を表す数)です。この人は7−6=1、6−3=3、1と3の差で2、7−3=4になります。

★流派で分かれるところ:11月や11日・22日の生まれでは、11や22を1けたにせずに計算する流派があります。11月11日生まれなら、第1ピナクルはそのまま足すと22、先に1けたにすると4です。

プロの道具② 名前の母音と子音、そして「Y」

名前の数は、全部の文字を足すだけではありません。プロは母音だけ、子音だけでも数を出します。

ここで流派が分かれるのが「Y」です。

考え方Yの扱いYAMADA YUKO のソウルナンバー
ジュノー・ジョーダン母音に入れないA・A・A・U・O=12→3
リン・ビュースいつも母音に入れるYを2つ足して26→8
ハンス・デコズ音で決める「ヤ」「ユ」は子音の音なので3

日本人の名前は「YAMADA」「YUKO」「RYO」のようにYが入ることが多いので、この違いは身近です。同じ名前でも、先生によって3と言われたり8と言われたりするわけです。

「名前にYが入っています。ソウルナンバーでは、Yを母音として数えていますか」

数秘術は、科学なのか

数秘術は、科学的に確かめられた方法ではありません。百科事典でも、科学とは別のものとして扱われています。

そのうえで多くの人が数秘術を使うのは、自分を見つめるきっかけになるからです。「あなたは7」と言われて、「たしかに、ひとりで考えるのが好きかも」と振り返る。その振り返りこそが、数秘術のいちばんの使い道です。

歴史を知っておくと、「何千年も続く絶対の法則」とも、「根拠のないでたらめ」とも違う、ちょうどいい距離で数秘術と付き合えるようになります。

先生に、流派まで聞いてみる

ここまで見てきたように、数秘術は流派によって答えが変わるところがいくつもあります。電話で相談するとき、次の3つを聞いておくと、言われた数の意味がはっきりします。

「どの流派の数秘術で見ていますか。マスターナンバーは33まで使いますか」

流派を聞くのは、先生を試すためではありません。同じ言葉で話すためです。答えてくれる先生なら、そのあとの読み解きも安心して聞けます。

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