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占いえらび
雑誌やテレビの「今日の星占い」は、じつは1930年にイギリスの新聞で始まった、100年ほどの歴史しかない形です。いっぽう占星術そのものは、2,000年以上前から続いています。星占いと占星術の違いから、プロが使い分ける2つの星座の区切り方まで、たどっていきます。
この記事の3行まとめ

西洋占星術の記事では、ホロスコープのしくみを紹介しました。この記事は、その歴史と、プロの読み方に進みます。
確かめられた記録は言い切り、言い伝えは「とされる」「と語られる」で書き分けています。使った資料は、いちばん最後にまとめました。
占星術の根っこは、いまのイラクのあたりで栄えた古代バビロニアにあります。人々は日食や惑星の動きを長いあいだ記録し、それを国の出来事の前ぶれとして読んでいました。
その記録の厚みは驚くほどです。2世紀の学者プトレマイオスは、紀元前747年のナボナッサル王の時代から続く、900年分の日食の記録を使うことができたとされています。
国の運命を読む空の記録が、やがて一人ひとりの生まれた瞬間の空を読む方法へと変わっていきました。これが、いまのホロスコープにつながる流れです。

西洋占星術の古典といえば、クラウディオス・プトレマイオス(90年ごろ〜168年ごろ)の『テトラビブロス』です。「4つの書」という意味の名前のとおり、占星術の考え方と使い方を4巻にまとめた本です。
プトレマイオスは天文学の大著『アルマゲスト』も書いた人で、『テトラビブロス』は占星術の世界で、1,000年以上にわたって聖書に近い権威を持ったとされています。
おもしろいのは、プトレマイオスが自分で新しい技法を作ったわけではないことです。それまでに伝わっていた方法を、筋道立てて整理しました。占星術は、何百年もの積み重ねの上にある占いなのです。
惑星が太陽のまわりを楕円で回る法則を見つけたヨハネス・ケプラーも、占星術と深くかかわっていました。
天文学と占星術がまだひとつながりだった時代の、象徴的な人物です。「星の動きを正確に計算する」ことと「その意味を読む」ことは、このあとの時代に、少しずつ別の道を歩むようになります。
雑誌やテレビでおなじみの星占いには、はっきりした始まりがあります。
1930年8月21日、イギリスでマーガレット王女が生まれました。新聞『サンデー・エクスプレス』の編集者は、有名な占い師キロに記事を頼もうとしましたが、連絡がつきません。代わりに書いたのが、キロの助手だったR・H・ネイラー(1889〜1952年)です。記事は8月24日に載りました。
その年の9月、ネイラーは「10月にイギリスの航空機が危険にさらされる」と書きます。そして10月5日、イギリスの飛行船R101がフランスで墜落しました。これで評判が高まり、ネイラーは週1回の連載を任されます。これがイギリスで最初の定期的な星占い欄でした。
1937年には、生まれた日の太陽の星座(12星座)だけで占う、いまの星占いの形ができあがりました。
R101の話は、当たった証拠ではなく、占いが新聞というメディアに乗って広まった時代の物語として読むのがおすすめです。誕生日だけで読める手軽さが、星占いを世界中に広めました。

プロの占星術師が最初に気にするのが、星座の区切り方です。じつは2つの方式があります。
| 方式 | 区切り方 | 使われるところ |
|---|---|---|
| トロピカル | 春分の日を牡羊座のはじまりとする(季節で区切る) | 西洋占星術のほとんど |
| サイデリアル | 実際の星の位置で区切る | インド占星術 |
2つの方式は、2,000年ほど前にはぴったり重なっていました。ところが地球の軸がゆっくり首を振るように動くため(歳差運動(さいさうんどう))、星の見え方は72年に約1度ずつずれていきます。
その結果、いまでは2つの方式に約23度、ほぼ1星座ぶんの差があります。西洋の占星術でおひつじ座(3月21日〜4月19日生まれ)の人の多くは、インドの占星術ではうお座になります。
ときどき「じつは星座は13ある」「へびつかい座が抜けている」と話題になります。太陽が通る道の上には、たしかにへびつかい座の星々もあります。
ただ、へびつかい座は伝統的な西洋占星術・インド占星術のどちらでも、12の星座に入っていません。天文学の星座の境界線をそのまま使う、ごく一部の占い方にだけ登場します。
占星術の星座は、空を12等分した「区画」の名前です。星座の星の並びそのものとは別のものなので、へびつかい座の話が出ても、自分の星座が変わる心配はいりません。
ネイラーが作った雑誌の星占いは、太陽の星座だけを見ます。12通りしかないので、同じ星座の人はみんな同じ内容です。
電話占いの先生が行う鑑定は、生まれた日付・時刻・場所からホロスコープ全体を作って読みます。月や金星の星座、約2時間ごとに変わるアセンダント(=生まれた瞬間に東の地平線にあった星座)まで入るので、同じ誕生日の人でも答えが変わります。
| 雑誌の星占い | 個人の鑑定 | |
|---|---|---|
| 使うもの | 誕生日(太陽の星座) | 生まれた日付・時刻・場所 |
| 見る天体 | 太陽だけ | 太陽・月・水星・金星など全部 |
| 何通りあるか | 12通り | ひとりずつ違う |
生まれた時刻が分かると、読みがぐっと細かくなります。くわしくは西洋占星術の記事を見てください。

占星術の先生に最初に聞いておくと話が早いのは、この3つです。
電話占いは1分ごとに料金がかかるので、生年月日・時刻・生まれた場所は相談メモにまとめておくと、すぐに本題に入れます。

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